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「結局あんたが善人なのか、俺にはわからない。」
手を広げ、何もない、とジェスチャーした山中。
「ただ………ここへ来て一つだけわかった事がある。
それは……」
『それは?』
「結局この世は変わらない…………
例え俺が真実を語ろうが、
あんたが善意を必死に説こうがな。」
真実すら、侵略を肯定する有り様。
これ以上ここにいて、一体何を求めればいいというのだろう?
半ば自棄になった山中は、
「これじゃ、竹川も浮かばれねえな」と呟き、足元に落ちていたバズーカを拾い上げ、肩に載せた。
『……どうする気だね?』
「帰るんだよ。」
―――ここにいても何も始まらない。
何を聞いても同じ。
それなら。
「ゲリラ戦でも展開するしかないんじゃないの?
俺は反逆者だからな。」
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