託された夢とモモタロウ

2/9
前へ
/98ページ
次へ
「結局あんたが善人なのか、俺にはわからない。」 手を広げ、何もない、とジェスチャーした山中。 「ただ………ここへ来て一つだけわかった事がある。 それは……」 『それは?』 「結局この世は変わらない………… 例え俺が真実を語ろうが、 あんたが善意を必死に説こうがな。」 真実すら、侵略を肯定する有り様。 これ以上ここにいて、一体何を求めればいいというのだろう? 半ば自棄になった山中は、 「これじゃ、竹川も浮かばれねえな」と呟き、足元に落ちていたバズーカを拾い上げ、肩に載せた。 『……どうする気だね?』 「帰るんだよ。」 ―――ここにいても何も始まらない。 何を聞いても同じ。 それなら。 「ゲリラ戦でも展開するしかないんじゃないの? 俺は反逆者だからな。」
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加