エピローグ~青い空、銀の雲~

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        *  *  * 「あー疲れた」  手紙を書き終えたネージュは、ペンを置くと大きく伸びをした。  手紙を書くなんてのは久しぶりなことだったので、ずいぶん時間がかかってしまったように思う。  朝に書き始めたはずなのに、窓の外の太陽はすでにほぼ真上を差していた。  どうして届きもしない手紙を書こうと思ったのか。  その理由を明確にすることはできない。ただ、なんとなく書きたい。いや、書かなければならないと思ったからである。  少なくとも、書いたことで自分の気持ちが整理された。  二年。  あれから、もう二年も経ったのである。  ネージュはふと部屋の壁にかけてある二丁の銃に目を向けた。  炎銃『ベルフェリア』、そして氷銃『ガイスタ』。  自分と共に幾多の戦いを潜り抜けてきた大切な相棒たちだ。  戦いが終わってから、自分はその武装を握ることはなかった。  それは喜ばしいことでもあるし、なんとなく寂しいことでもある。二丁の銃を見る度に、複雑な思いになる。  
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