02.

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その男が醸し出す雰囲気は、どこか人間離れしているようにも思える。 「…人間か?」 旅人がつぶやく 「あれがゴブリンに見えるかい?」 冗談を言い合う2人の元へ、男が近づく。 かなりの長身であろう男性は、フードを被っているため素顔はみえない。 背中には大剣を携えており、ただものではないことがわかる。 「アムという少年を知っているか?」 「アム?黒髪のアムかい?」 「どこにいる!?」 男の声は何処か焦っているようにも聞こえる。 「どこって…町外れの長老の家に…」 それを聞くと、男は店を乱暴に出ていった。 途中、蹴飛ばされた店番のゴブリンが悪態を着いたが、男に聞こえることはなかった。
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