03.

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ニールは、ぽかーんと口を開けたまま固まった。 それもそのはず。空に人が住めるなんて考えたことはないのだから。 「む、無理だよぉ…僕、飛べないもん!」 それに、歩くのも疲れちゃった。そう言って、ニールはその場にしゃがみこみ、眠気に任せてユラユラ。 「ああ、私も飛べない。だからコイツで行くのさ」 グルルルルッ… 暗い森に獣の唸り声。 ニールは、ひゃ!と言ってテオラドにしがみついた。 『また面倒なものを拾ってきよったか…』 「そう言うなよ、アグムト」 テオラドは、首をすくめて苦笑した。 木の影からのっそりと姿を表したのは、ドラゴンだった。 黒くて周りと同化しているため、全貌はわからない。 だがしかし、紅蓮に光る鋭い眼光。 20メートルはあろうほどの巨大な体。 前足だけ見えた限りでは、無駄のない筋肉。 首から尾にかけてゴツゴツと尖った突起物は、ドラゴンの象徴。 突然現れたその存在に、ニールは体を震わせた。 「紹介しよう。私の相棒、アグムトだ」 『人間の子を見るのは300年ぶりじゃな…。テオラドがまだ餓鬼のころ』 「え、あの…初めまして…。僕、ニールっていいます」 緊張しながらも、ニールはペコリと頭を下げた。 それに答えるように、アグムトも目を細めた。
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