698人が本棚に入れています
本棚に追加
「ドラゴンは、とても賢いし強い。それに長寿だ。
アグムトはすでに2000年の時を生き、どんなドラゴンより世界を知っている。
その反面、とても貴重な生き物でもある。
ライダーは、ドラゴンを見つけ、契約をしなければならない。
間違ってはいけない。ライダーがドラゴンを選ぶのではなく、ドラゴンがライダーを選ぶのだ。
死にかけの私を、アグムトが拾ったのだ。それが私たちの出会い
この話はまたいつか話してやろう」
『ずいぶん懐かしい』
アグムトは、ふふんと鼻を鳴らすと強く羽ばたいた。
スピードが上がり、少しだけ上昇する。
「君も、ドラゴンを見つけなければな。焦らなくていい。
遅かれ早かれ、必ずドラゴンは現れる。
だが、その前にお前は学ばねばならぬ。
魔法術に剣術。そして賢いものの考え方を。
ドラゴンライダーの使う魔法は普通とはちがう。
まあ、のちのち教えていくとしよう」
『見えてきたな』
テオラドが顔をあげると、目線の下には巨大な雲が広がっていた。
よく見れば、雲の上に建造物が見える。
中心に巨大な湖が広がり、綺麗な緑もある。
建物の明かりにより作られた、美しい夜景。
『随分流されていたようじゃな』
「ドラゴンライダーの里は、雲の上にある。
雲と共に世界を移動し続けるんだ。ただ、他の雲と違って分裂したり消えたりはしない」
最初のコメントを投稿しよう!