03.

11/19
前へ
/122ページ
次へ
──────ニール とても素敵な夢を見たんだ。 大きなドラゴンに乗って、誰かが僕に話しかける。 僕は眠かったんだけど、まるでお母さんが寝る前に歌ってくれた歌みたいに、全部僕の頭に入ってきたんだ。 大きくて、ゴツゴツした手が僕の頭を撫でてくれて、その手はまるで大好きなお父さんの手みたいで…。 「…ル。おい、ニール」 あれ…ばあちゃの声じゃない…? それに、こんな柔らかい布団… 「ニール、起きなさい」 諭すように僕に語りかけるこの声は、テオ…ラド? あれ?テオラドって誰だっけ… ああ、そうだ…ドラゴンライダーのテオラド。 …! そうだ!アム! アムを助けなきゃ! 「アム!」 布団をはねのけ、僕は体を起こした。 そうだ… アムは魔王に連れていかれちゃって… 僕とテオラドで助けなきゃいけなくて…ええっと、そのためにはドラゴンが必要で… 「やっと起きたようだな。 昨日、私が話した事を覚えてるか?」 テオラドは、部屋の奥に移動しながら僕に聞いた。
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

698人が本棚に入れています
本棚に追加