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「ドラゴンは、自分に合った主を見つけるまで契約をしない。
たとえば、アグムトのように2000年の時を経てライダーを見つけるドラゴンもいれば、産まれてすぐにライダーを決めるドラゴンもいる」
えっと、つまり…アグムトはテオラドが産まれるまで2000年間、ずーっと待ってたってことかな?
「ドラゴンの寿命は約2000年から3000年。
つまり、100年しか生きないライダーもいれば、2000年生きるライダーもいるってことだ」
「ねえ、テオラド。
たとえば、ドラゴンと契約出来ないまま死んじゃうライダーもいるの?」
テオラドは、顎に手をあてながら少し考えると、小さく頷いた。
「ライダーは、ドラゴンと契約するまでは普通の人間と寿命は変わらない。
たまにいるな。外見はライダーでも中身はただの人間ってやつも。」
あ、今の僕がそうなのか。
うーん…難しいなぁ…。
もし僕が、あと100年しか生きれないドラゴンと契約したら、僕の寿命は100年だし
産まれたばかりで2000年生きるドラゴンと契約したら、僕の寿命は2000年かあ…。
「ドラゴンかライダー、どちらかが事故とかで死んじゃったらどうなるの?」
「ドラゴンとライダーは共に。
どちらかが死ねば、もう片方も生きることはできない」
だから、互いが互いを大切にし合うことが大切なんだ。とテオラドは僕に言った。
「うー…難しいよ…」
「ゆっくり理解していけばいいさ。
あと二つの違いは、外に出て実際に体験した方が分かりやすい」
テオラドが立ち上がって、行くぞ。と言った。
僕は、大慌てでパンを口に詰め込むと、ミルクで押し流してテオラドの後を追った。
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