* カノジョの品格

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「もっと早く出会ってればよかった。…あぁ、でも2人には時間なんて関係ないですよね。…これから積み重ねていけばいいんだから。」 「……?」 …ちょっと。 何かこのヒト、ヤバくない? 坂井さんの目は至って普通の目だ。 ただ、言ってるコトだけがオカシイ。 「出会うべくして出会ったんです。運命なんです。…華恋さんももう気付いていたでしょう?僕に会いたかったでしょう?」 「……。」 …ダメだ、この人危険すぎる。 私は黙って一歩、二歩と後ずさった。 坂井さんは一歩、二歩と詰め寄ってくる。 「いつも僕だけに微笑みかけてくれてたじゃないですか。」 坂井さんの手がにゅっと伸びてきて、私の腕を捕まえようとした。 「…ちょっ…!!」 私は坂井さんの手を逃れて更に後ずさった。 通りにはチラホラと人がいたから、大声を出そうかとも思った。 さすがに坂井さんも、まさかこんな人目に付く所で何かしようとはしないだろう。 とりあえず逃げられれば何とかなるかも。
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