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「もっと早く出会ってればよかった。…あぁ、でも2人には時間なんて関係ないですよね。…これから積み重ねていけばいいんだから。」
「……?」
…ちょっと。
何かこのヒト、ヤバくない?
坂井さんの目は至って普通の目だ。
ただ、言ってるコトだけがオカシイ。
「出会うべくして出会ったんです。運命なんです。…華恋さんももう気付いていたでしょう?僕に会いたかったでしょう?」
「……。」
…ダメだ、この人危険すぎる。
私は黙って一歩、二歩と後ずさった。
坂井さんは一歩、二歩と詰め寄ってくる。
「いつも僕だけに微笑みかけてくれてたじゃないですか。」
坂井さんの手がにゅっと伸びてきて、私の腕を捕まえようとした。
「…ちょっ…!!」
私は坂井さんの手を逃れて更に後ずさった。
通りにはチラホラと人がいたから、大声を出そうかとも思った。
さすがに坂井さんも、まさかこんな人目に付く所で何かしようとはしないだろう。
とりあえず逃げられれば何とかなるかも。
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