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私もあまり乗り気じゃないし。
私の事を慕ってくれているのは嬉しいんだけど、一緒にいると私まですれ違う人に見られている気がして止まないの。
私を見ているわけじゃないってことはわかってるよ。わかってはいるんだけどね。
「先輩、悩みでもあるんですか?」
「え?」
「いえ、また考え事をしているみたいだったから」
何回渡瀬君を聞き流しているのだろう。本当に自分が嫌になる。
渡瀬君は私なんかにじゃれてくるし、私も少しは迷惑してるけど悪い子ではないんだ。
私が黙っていると今みたいに心配してくれるしね。
だから、こんなにいい後輩に心配なんてかけるわけにはいかないよ。
しかも悩みってのが大半彼に関しての事なんだもの。いえるはずが無い。
今ここで「どうして私といつも一緒にいるの?」なんて聞いたら君はどんな顔をして、なんて答えるんだろうね。
玲奈が言うように私のこと好きだとか言ってくれたりするのかな。
・・・・・・・・いやないな。なんかすごく申し訳ない妄想をしてしまったきがする。
「ゴメン渡瀬君」
「・・・え?」
私の呟きに渡瀬君のすっとんきょんな返事が返ってきた。
「なんでもないよ、心配してくれてありがとう」
私よりも何センチか高い位置にあるかれの目を見上げて答えた。
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