君に会えたから

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「・・・」 「ね、付き合ってよ」 何も喋らずただストローでメロンソーダを飲んでいる僕に、目の前の知らない人は話し掛けてくる。 ズゴゴゴ……、カランッ あぁ、飲み終わってしまった。 別にメロンソーダは好きという訳では無い。他の物を頼む勇気が無いだけだ。 「付き合う、って……」 どちらの意味 「勿論恋人として、さ」 「……ですか」 (どうしてこうなった……?) やり切れなくて、既に無くなっているコップの中身を吸う。口の中に入って来るのは空気と少し甘い水だけだった。 ―――遡ること30分前。僕はまだ学校にいた。
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