君に会えたから

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このあとその男に突然腕を掴まれたかと思うと、あれよあれよと学校を出て、ファミレスに連れて来られ、 『メロンソーダ二つください』 ……何故か僕がファミレスで毎回頼む飲み物を頼んだ。 ――――… 回想(現実逃避)終了。 「あれ、メロンソーダ足りない?それなら俺のも飲んでいいよ。そのために頼んだみたいなものだし。そうそう、チョコレートケーキ食べる?好きでしょ。いつも食後食べてるよね。やっぱり甘いの好きなの?俺は甘いの嫌いだけど歩の為なら砂糖たっぷりのケーキだって毎日作って」 「あのー…」 「何?」 き、キリが無い!! ていうかさっきから気になってたんだけど…… 「誰……?」 ―――そう、たぶん僕とこの男は初対面なのだ。 一瞬キョトンとした男は、すぐに我に帰るとまたにこりと笑った。それにしてもよく喋って笑う人だなぁ……。 「ああ、そういえばまだちゃんと自己紹介してなかったよね。俺の名前は柚季。柚の季節の季って書くんだ。…あえて名字は教えないよ?」 名前で呼んで欲しいからね、と付け足した男……もとい柚季はメロンソーダをこちらにずらしながら言った。
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