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「あ、もしかして歩、俺と初対面だと思ってる?」
「……ん」
素直に頷くと、柚季は少し悲しそうな顔をした。そんな顔されても困ります。
「そうなんだ……。でもね、それは違うよ」
「え、どういう……」
初対面じゃない?僕、こんな目立つ人忘れる筈が無いとおもうんだけど……。
首を傾げていると、柚季がテーブルに組んだ腕を乗せ、向かい合っているこちら側に身を乗り出してきた。
「君を…歩を、俺はずっと見ていたよ」
「え」
「ははっ、驚いた歩も可愛い……」
そう言って、柔らかく笑いかけてくる柚季。
(そ、それって)
「ストー…カー?」
「ちょっと違うね。君がどういう人物なのか観察していただけだよ」
残念そうにする目の前の爽やかボーイ。
しかし、それを世間一般ではストーカーと言うのでは……?
真剣に話してくる柚季に少々呆れを抱きながら、よせられたメロンソーダに刺さったストローを口に運んだ。
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