君に会えたから

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「……俺は人間観察が趣味なんだ」 「趣味……?」 周りがファミレスだということを感じさせない……まるで絵の様な、綺麗で真剣な顔付きで語りだした柚季に相槌をうつ。 (ストーカーじゃなくて観察、なのか……) 今さらだが、目の前で熱く語っている人物はとてつもない美形だ。 派手過ぎない感じで、少し茶色がかった金髪のさらりとした髪。目はキリリと細すぎなく大きすぎなく、筋が通っていている鼻やシャープな輪郭が羨ましい。 何と言うか、1番羨ましいのは身長だ。教室で柚季が僕の目の前に来た時、思わず見上げてしまった程で……いや、僕が小さいっていうのもあるんだけど。 「そう。でもある日、人間観察をしていたら夢中になりすぎて財布を落としてしまったんだ。……それをすぐに拾ってくれたのが、歩」 「ぅえっ……?」 突然名前を呼ばれて気の抜けた声が出た。うーん、いつの話なんだろう…その前に本当に僕? 「やっぱり覚えてないか……。ま、歩が忘れっぽいの知ってるからね。別にいいよ」 なんか知らないけど許された。
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