※絶対なんて無い

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逃げようにもがっちりと後ろからホールドされていて振りほどくことも出来ない。 心の奥で、これはもしかしたら女の子ではないか?……と思ったが、先程手を握られたときに明らかに男の手だったのでその可能性は限りなく低い。 「ふぁっ、あ、っう、ん、あ、あ」 その手は俺の手を使って、まるで自分で弄っているかのようにしてくる。 しかし、自分でやっている時とは違った力が確実に快感に導いていく。 その時 ―――淫乱だな、オッサン 腰にくるゾクリとした声。 不意に耳元から降ってきたその声に、かあと顔が赤くなる。 「ちっ、違っ!ぁ、んう……!」 「静かにしねえと周りに聞こえんぞ」 「っ、ん!?」 次の声ははっきりと上から聞こえてきて、もやがかかった脳が覚醒された。 そのお陰か、理性が帰って来て痴漢にあっているという事実を思い出させてくれて。 俺、今、痴漢されて気持ち良く……気持ち良く!? 「ななななって無い、なって無いぞ断じ……!むぇっ」 「だからうるせぇよ」 慌てて脳内の考えを否定しようとしたら声に思い切り出たらしく、後ろの痴漢のもう一つの手で口を押さえられた。 し、しまった!右手は鞄を持ってて使えない状態だ。 「んっ、んんんーっ」 「……チッ」 痴漢は俺に聞こえる様に舌打ちをすると、左手の動きを再開させた。
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