※絶対なんて無い

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「あー…クソ可愛い」 は? 「き、君何言って……あ、んぅ……っ!?」 男が直に触ってきた。気持ち悪い……っ。 「オッサンが煽んのがいけねぇんだからな……」 「そんなことする訳が……っぅん、ぁ、ああ!?」 「……チッ、馬鹿」 「や、あ、止め……やあっ!あ、ぅ…っ!だ、駄目、っめぇ」 「……っ」 「止め、……っぅ、んああぁっ―――……」 ……あぁ…。イッて、しまった…。 「……っはあ、は…ぁ…」 離された手を見ると、自分の液で濡れていた。虚無感と共に、ふつふつとと怒りが沸いて来る。 「きき、君、一体何のつもりで」 『まもなく、――駅。――駅』 「!」 「チッ」 運がいいのか悪いのかは定かでは無いが、ちょうど下りる駅のアナウンスが流れた。 『逃げろ』と本能が告げている。 俺は扉が目の前で開いた途端に、捩込む様にホームに降りた。 ――一刻も早くあいつから逃げなくては。 左の手の平のそれを隠すように、ぎゅうと握りしめながら改札口へと走った。
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