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あった。
居酒屋、水無月。
綺麗かつ大きなお店で、メニューも豊富な和風のお店。
バックを肩に掲げ、息を潜めるようにして、のれんを恐る恐るくぐる。
「どー…も、すみません。」
入った直後、耳障りな人の雑談が飛び交う。
大きな長方形のテーブルには、人数分以上は軽くあるお酒。
それを取り囲むように、会社の社員が群れていた。
「うわ……すご。」
あちらこちら、出来上がってますなあ。
クールで細身のリーダーは顔が赤いし、妻子持ちの先輩は若い女の子に絡んでる。
マジカル、お酒マジック。
にっちもさっちも行かない私は、呆然と立ち尽くした。
「小雪、こっちこっち!早くおいでよ!」
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