出会い

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「何ー?」 遥はビールを置き、甘い笑顔を私に向けた。 こんな可愛い美少女が友達なんて、変な感じ。 おしぼりを避け、私はテーブルで頬杖した。 「なんか最近、がっかりする。」 「がっかり?例の眠そうな彼氏?」 「それもある。」 オレンジ色に近い暖色に包まれた店内は、相変わらず賑わってる。 「大人ってつまんないなーって、最近思う。」 無気力に安物のネックレスをいじくり、私はポツリと呟いた。 「思った。」 箸の動きを止めないまま、同感する遥。 「高校生の時は中学生羨ましくなるし、成人になったら未成年羨ましくなるよね。」 お摘みのポテトをチビチビ食べながら、遥はそう続けた。 そうそう、そうなんだよ、後悔するお年頃なの、二十代って。
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