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天敵である男の視線を煙たそうに避けながら、
「なんか大変だね、小雪。」
と、前髪を横に流した遥はベタベタな他人事を口にした。
「小雪は好きなの?マサキさん。」
「うーん……まあ、うん、うん?」
どうなんだろ。
好きだったけど、今は好きじゃないって、思わないでもない。
だって、身体は無抵抗にマサキを受け入れる。
それって、相手を好きな証拠?
……微妙。
「前は、大好きだったよ。今も多分。」
マサキの方はよく分かんないけどね、と、私は軽く笑った。
……マサキのことを考えたくない自分がいる。
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