出会い

9/31
前へ
/695ページ
次へ
天敵である男の視線を煙たそうに避けながら、 「なんか大変だね、小雪。」 と、前髪を横に流した遥はベタベタな他人事を口にした。 「小雪は好きなの?マサキさん。」 「うーん……まあ、うん、うん?」 どうなんだろ。 好きだったけど、今は好きじゃないって、思わないでもない。 だって、身体は無抵抗にマサキを受け入れる。 それって、相手を好きな証拠? ……微妙。 「前は、大好きだったよ。今も多分。」 マサキの方はよく分かんないけどね、と、私は軽く笑った。 ……マサキのことを考えたくない自分がいる。
/695ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9898人が本棚に入れています
本棚に追加