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苦々しい気持ちがむしばむ。
数ヶ月前、『今度買おうな』って、宝石店のショーウィンドウ前で笑い合ったのにね。
指輪……いつまで先伸ばし?
ううん、いつまでなんて、ないのかも。
結婚の約束は、白紙になるのかな。
気付いたら、私はテーブルでふて腐れてた。
「小雪、めげないでってば。」
とんとん、と、遥が私の右肩を叩いた。
……めげたくもなる。
泣きたくはならないけど。
好きだの、愛して止まないだの、囁いといて。
マサキは自分勝手だよ。
振り回される私のキモチ……1日でもいいから考えてほしい。
「皿になった気分……。」
たわしで磨かれ、「苦しい」って痛がる皿みたいな。
「はあ?小雪酔った?」
「そかも。」
酔ってないからご安心を、と言うのを止め、私は苦笑いした。
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