9898人が本棚に入れています
本棚に追加
他人の目を気にし、よくマスクをつけ、うつ向いて歩く遥。
一方、彼氏のマサキのことで悩む私。
だから私達は、お互いがお互いを助け合い、フォローしている。
遥が男性を嫌うので、ひたすら私がカバーをし。
私がマサキの予定と会社のシフトが合わない時、遥は常日頃、シフトを変わってくれた。
私は、飾らない遥と一緒にいる時が、今一番楽しい。
「大丈夫大丈夫。小雪ならすぐ着れるよ、ウェディングドレス。」
携帯電話を取り出した遥は、そう言ってくれた。
「遥。今日ね、スマホ買う夢見た。」
「買いなよスマホ。ラインとか出来るよー。」
「ライン?」
「知り合いにね、“うきゃきゃきゃ”とか“うしゃしゃしゃ”って送ってくる人とかいて。」
「ふざけ度マックスだね…。」
それから私達は、下らない会話を続けていた。
時刻は変わっていき、八時を回った。
ちらほらと帰り始める人達もいるけど、二次会へと騒ぎ立てるグループもいる。
「藍沢さん、長谷川さん。カラオケ行かない?」
最初のコメントを投稿しよう!