出会い

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うつ伏せた私は、くしゅ、っとくしゃみをした。 「ちょっと……この辺り寒いね。」 私は顔を上げて、不満を吐いた。 長袖なのに、さっきから悪寒にしばしば襲われる。 アイドルの顔立ちの遥はビールを飲みながら、左手で天井を指差した。 クーラーが直で当たってるから仕方ない、という意味らしい。 「最悪……。」 場所が悪かったと知って、若干へこむ。 「そろそろ帰っか。」 ふと、背中側から男の人の声が聞こえた。 私の真後ろで、背を向けて胡座をかいていた人だ。 振り向くと、爽やかな髪型をしたワイシャツ姿の男の後ろ姿。
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