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今、ジルがいるのこ場所は自然に囲まれた小さな村、<リィズ村>だ。
東には<バルバロッサの森>が広がり、南には<タティウスの丘>が聳える。
その広大な景色には見るものを圧倒させる魅力を持っていた。
ジルはリィズ村の<かすみ荘>という宿屋を定宿にしている。
かすみ荘には食事サービスがないため、彼女は村に存在する定食屋兼居酒屋<ぽんぽん亭>に足を運ぶのだ。
ぽんぽん亭はそのリーズナブルな値段とメニューの豊富さが売りの店。
昼間畑仕事で疲れた男たちが毎晩のように羽を休めにくる人気の店だ。
看板娘のミシェルは、歳はジルより一つ下の23歳。
ジルとは違い、スラリとしたスレンダーな美女で村人の人気も高かった。
唯一の欠点は、仕事中にもかかわらずテーブルに寄って自分の会話を楽しむ…。
さらには、空気の読めない性格でもあるのだが…。
多少の欠点は誰にでも何かあるもの。
ジルはミシェルに好意を持っていた。
歳が近いせいもあるが、彼女の発想やセンスは好きだった。
一緒に出掛けてショッピングを楽しんでみたい。そんな友達。
しかし、その時には彼女は到底ジルには似合いそうもない服なんかを薦めてくるのが想像できるのだが…。
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