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「な、何があったんだっ?!」 ちょうど目の前を通り過ぎようとしたお隣さんのジョージを見つけ、ブロフィーは引き止めて問うた。 「ブロフィー。た、大変だ。バッファロークロウだ。早く逃げるんだ!」 ジョージは早口で捲くし立てると、ブロフィーの手を振り解いて転がるようにその場から去っていった。 何だって? バッファロークロウだと? ジョージの言葉にブロフィーは戦慄した。 地震よりも恐ろしいそのモンスターの名前はブロフィーにも聞き覚えがあった。 体長が4mも5mもある牛の形をしたモンスターで、真っ黒な毛並みがまるで悪魔のような、巨大な角を持つ生き物。 一度暴走を始めれば、その命が尽きるまで、行く手を阻むすべてのものを蹴散らして邁進していく。 その暴走が始まるきっかけは分からないが、このバッファロークロウの暴走によって壊滅に追いやられた村落は少なくないと聞く。 その暴走した悪魔の牛たちが、この村にやって来たというのか。
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