究極の手品

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次の日、僕が学校に着くともう磯崎さんがいた。 言っておくが、僕は相当早く学校にくる方だ。それは小学校に入った時のときからの性分で、もう六年生も半分すぎた今でも変わらない。 その僕より早く来るなんて、一体何時に来てるんだこの人は?? まあ、聞いてみるか。どうせもう少ししたら、クラスの皆に質問ぜめにされるだろうし。それに最初から暗い人とかイメージされたくないし。 ……何にしろ直ぐにバレる、か。ま、仲良くなれたらいいな~なんていう妄想をしながら話しかけた。 「お、おはよう、磯崎さん、早いね。昨日の手品すごかったんですけど、ホント、すごすぎましたっっ!」 あaaaaaやっちまった… 完璧、最初から僕のキャラが悪い方にイイイイイイ!! これじゃあ、恥ずかしがり屋とか、そういうイメージ丸出しじゃんか!!! 恐る恐る磯崎さんの方を見てみた。 「…………………」 話しかける前と変わらず、ほおづえをついて何処か遠くを見つめている。 (昨日があれだから、当たり前か……) 変な目で見られなかっただけ、良かったと思うべきか……… 朝の準備をしようと自分の席に向かおうとしたその時、磯崎さんが口を開いた。
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