究極の手品

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「君は、手品が好きか?」 えええええええっ! 話しかけてくれたっ!!!! 女子としゃべるとか、いったい何ヶ月ぶりだか…… そして、君、と呼ばれたことに驚いて、 「へっ?」 と、口が動いてしまった。 慌てて何かまともなことを言おうとしたその時。 「おっはよ~!あ、磯崎さんいたの?おはよ。」 と、超ゲンキな声が教室に響き渡った。 クラス一元気な女の子、春川 ミナだった。 「ああ、上川くんも、おはよ!それにしても、磯崎さん早いね~。そういえば、イチゴ好きなんだっけ?今日の給食、デザートがイチゴなんだってよ。良かったね~!!あとあと、昨日の手品、すっごく良かったよ!また見せてね~」 そして、クラス一おしゃべりだ。 (きっと、春川さんみたいなひとと仲良くなるんだろな) そんなことを思っていたが、磯崎さんは曖昧に微笑んだだけだった。そして、どこか物悲しげな目で春川さんを見ていた。
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