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部屋に着き、買ってきたものを冷蔵庫にしまう。
「あー、やだー、わたし、なにこんなにいっぱい買い込んでんのよー」
冷蔵庫の中は一杯になっていた。ひときわ目立つのはキャベツひとたま。
「誰が食べるのよー」
わたしは男の人が食べる姿を見るのが好きだった。だから冷蔵庫の中にはすぐに炒めて食べられるような食材が入っていた。誰かとつきあっているときは……
「おい、どうした、あたらしい男でもできたか?」
冷蔵庫が不敵にわたしに問いかける。
「もうすぐオレもお払い箱か?」
バターン!
さっきまで浮かれていた自分が疎ましかった。
「なに考えてんだろうー、わたし」
いったいどんなひとなんだろう?
そう考えずにはいられなかった。その日寒がりのわたしが部屋の暖房を付け忘れていることに気付いたのは、シャワーから出たときだった。
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