1の巻

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 洗面所にいき、朝がスタートする。洗顔、歯磨き、にらめっこ。 「今日のあたし、どうよ?」  バッチリの笑顔で鏡に話しかける 「いいんじゃない?まぁ、昨日ほどじゃないけどー」 「どうせ一日ごとにおばさんになっていますよーだ」  鏡はいつも正直にものを言う。まるで学生の頃の女友達みたい。  トーストを手早く焼く。 「ガチャン!焼けたぞ!どうだい今日の焼き加減は」 「別に、いつもと同じ……おいしいわよ」  トースターは機嫌が悪いと煙を上げて怒り出す。  台所でお湯を沸かす。 「ピィィィー……おーい、お湯が沸いたぞー」  やかんがけたたましく、わたしを呼びつける。 「あーい、もう……ピィピィピィピィもう少しましな音はでないのかね。あんたは」  コーヒーを流し込む。インスタントコーヒーはまさに人類最大の発明品だ。  テレビをつけて天気予報と今日の占いをチェック。 「可もなく不可もなく……かぁ」 image=460993747.jpg
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