2の巻

3/17
前へ
/115ページ
次へ
「随分と久しぶりだね。お嬢ちゃん。1年ぶりかな?」 「そんなことなぁいぃ! パスタ茹でたのは確か……」 「パスタ、ラーメン、うどんにそば……麺類みな兄弟」  コンロの火をつけると鍋は自分の仕事に戻った。 「えーと、確かこんな感じよね」  やると決めたら確かな手際で迷いはない。  どうせ食べるのはわたしだけ。  少し塩加減を多めにして、昨日流した塩分を補給しないと。 「どーよ、なかなかのものじゃない!」  お腹がすいていたからか、塩分が足りなかったからか、今日のポトフはなかなかのものだった。  昼真っから料理をしたのは久しぶりだ。  気分は上々。  ちょっと寒いけど、窓を開けて外の空気を部屋に招きいれた。 「うー、寒い……、けど気持ちいい」  全ては「彼」へと繋がっていた、昨日の夜のことも、ポトフと作ったことも、そして気持ちのいい冬の空が広がっていたことも。image=461093939.jpg
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加