2の巻

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2.恋したっていいじゃない!  恋したっていいじゃない!  今日のわたしはそんな気分だった。  部屋を勢いよく飛び出し、街の中に飛び出した。  ついこの前まで疎ましく思えたクリスマスムードの町並みはわたしにも楽しげに見えた。  こんな日は素敵な洋服に出会えるかもしれない。  行きつけのブティックをあれこれ見て回る。  財布の紐がゆるくなる。 「お願いワタシを買っていって」  ワゴンセールに出されたかわいいアクセサリーたちがわたしを見つめる。 「ワタシあなたに着て欲しいの」  店の中の洋服たちがいっせいにわたしに声をかけてくる。  恋したっていいじゃない!  いつかきっと、あなたたちの力を借りて、わたしは素敵な人に出会うの。  でもそうね。アナタは少し前のわたしには似合ったかもしれないけど、今のわたしには必要ないわ。  あー、見つけた!  アナタ、今日のわたしの気分にぴったりよ。  店の中に流れる音楽は、すべてわたしのために選曲されたみたいに心躍らせる。  「OKいい?つぎのリクエストはね。ノリノリのあの曲にして頂戴!わたしの横で楽しげに買い物をしているカップルにプレゼントしたいの」  恋したっていいじゃない!  時間は誰でも平等に流れていく。  早く感じたり遅く感じたりすることはあっても、それはあなたがそう思うだけ。  わたしがそう思うだけ。  過去を振り返るのも、前を向いて歩くのも、それはあなたの、そしてわたしの自由。
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