1の巻

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 だから周りにいる誰もがあの娘のことを『守ってあげたい』と思ってしまう。  でも、彼女が守って欲しいのは『誰でも』ではなく『あいつだけ』なのはすぐにわかった。  あいつもそうだけど、あの娘も世間ズレしていないまじめなタイプだった。  もし、友達になれたら、きっと彼女の恋を応援しただろう。  彼女はそういう星の下に生まれたのだろうし、わたしもきっとそうなのだ。  あの二人をみていると、どうにもわたしの居場所がないような気がした。  だから、わたしは……だから、わたしは少しだけ背伸びをしようとした。  そんなとき、彼が現れた。  ……それはまるで運命のようだったし、信じられないことに二人を結びつけたのは一本の糸だったというのは、本当の話なのだから。
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