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ピアッサーを買った。 病院で開けた方がいい、と麻理子からは言われたけれど、安全ピンで穴を開けた彼女には言われたくなかった。 駅前のドラッグストアでコンドーム以外を買うのは初めてのような気がした、だからか、このピアッサーをレジに置いたときに、いつもの若い女の子が一瞬だけ私の顔を窺った。私も彼女の顔をみて、口角を少しだけあげてみせた。本当にあがっていたかは、分からない。 ピアッサーについているピアスを少しだけ指先で弄ぶ。はやく、好きなピアスをつけたい。穴をあけたら、どんなピアスをつけようか。 ピアッサーをソファに投げたして、投げ出した右手でそのままアイフォンを手にとる。ラインの通知が3件。2件が麻理子で、もうひとつが、浩司さんだった。 もうすぐ、22:30。お店が終わるのが、23:00で、クローズ作業に30分かかる。0:00を回る前には、また連絡をしてくれるだろうか。
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