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浩司さんの部屋は、殺風景だけどいろいろなところに浩司さんが隠れているようで、好き。
枕とか、部屋の隅のワイシャツ、学生時代に読んでいた本だとか、テーブルの半分を占めている、たくさんの銘柄のストレートコーヒーの豆。
ハンドドリップコーヒーを毎朝飲んでいく、浩司さんの青のストライプ柄のマグカップ。その隣に、フランフランで浩司さんに買ってもらった私の赤のマグカップ。
私はこの浩司さんの部屋で、週の半分を過ごす。残りの半分は、自分の部屋と、それから、極たまに、ラブホテル。
しかし、浩司さんの匂いや、浩司さんの温もりに、包まれているこの部屋を知ってしまってから、自分の部屋も、ラブホテルも、酷く冷たい空間の様に感じて、あまり好きではなくなった。
自分の部屋で、どれだけ浩司さんの好きなストレートコーヒーをハンドドリップで淹れたって、香りも違えば、味も違う。そこにまた寂しくなって、もう自分の部屋でコーヒーを淹れるのはやめた。
浩司さんに、会いたい。いつ帰ってくるの。浩司さんが帰ってきたらなにをしよう。きっと疲れてるから、お風呂に入ったら、すぐに寝ちゃうだろうな。そしたら背中に抱きついて寝よう。それに気がついたら、浩司さんはすぐに抱きしめ返してくれるだろう。
明日はお休みだから、ずっと一緒にいれる。キスして、セックスして、コーヒーをのもう。そしたら、ピアスホールを浩司さんに開けてもらうんだ。
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