†1st Story・迷子旅†

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『彼女』を探して歩いて始めに着いたのは高架橋の下。 相変わらずお下品な落書きばかりです…。この辺りは『彼女』とのデートで、たまに近くを通っていたので寄ってみたのですが、『彼女』はいませんでした。 もし見つけたら抱き締めて「心配しましたよ、このお馬鹿さんが…」と言って、少し涙ぐむかもしれません。たぶんすぐ後に「何に泣いてんだよ、バカローデ」とか言ってきそうですが…。 まぁ、ここにはいませんでしたから他の所へ行きましょうか。 次に着いたのは町外れの教会。 ここはよく二人で通っていました。実は近くに『二人登ると幸せになれる時計台(通称:アトリエスタの時計台)』があるのでそれが目的だったのですが…。 あ。たしかここら辺に…ありました。『お悩み相談箱』。近くにあったメモ帳に私の『お悩み』を書いて…っと。後々で何かわかるかもしれない、そう信じてそこから立ち去りました。 後ろから教会の扉が開き、閉じる音が聞こえたような気がしました。 .
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