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ぺたぺたと歩き『彼女』を捜し、街をさ迷う私。それは迷子の子供のように、いろいろな場所を見て、大切な人を捜して、徐々に泣きそうな顔になっていく。こんな顔、『彼女』に見られたら恥ずかしくて顔から火が出そうになりますね。カッコ悪いですし…。
ああ、早く『彼女』に会いたい。早く『彼女』と手を繋がないと私自身、おかしくなってしまいそうで…。
「一体どこに居るのです、貴女は…」
そう呟いて、私は街をさ迷い続けました。
気がつくと、もう夕方になっていました。まだ、『彼女』は見つかりません。夕焼け色に染まった街の中で、私のだけ影が伸びる。
「貴女はどこに行ったのでしょう」
『彼女』が居ない日なんて忘れました。
「貴女はどうなってしまいましたか?」
この記憶は捏造された物?貴女は本当に家出したはず。
「貴女は最後、どうなってしまいましたか?」
とても大切なことでしょうが、思い出してはいけない気がします。けれど、思い出したい。くるくると『彼女』を捜し、ビルの隙間を廻る私の迷子旅。
この終点は…どこ?
「貴女は…」
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