魔族の誕生日

12/33
前へ
/33ページ
次へ
1-11 「あ、そっか。条件は同じなのに、みんな長のことばっかり見てるもんね。フェンさまもお寂しいのは一緒なのにね」  ふと、フェンドルバータがセリューナを凝視して頭を抱えた。 「うおー、今あんたが二人いればなあと思ったよ。俺の孤独に気づいたのはあんただけー」 「調子いいなあ、もう。フェンさまにはアルスさまがいるじゃない」 「俺だけの兄上じゃねえもーん」  つーんとそっぽを向いてそう言った。 「フェンさまはそうやって甘えられてきたけど、アルスさまはそうじゃないから」 「別に甘えてるわけじゃねーよ。兄上との違いを強調しとかねーと二個一にされちまうの。兄弟いねえあんたにはわかんねーだろよ」 「えーっと、どういう意味?」
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加