魔族の誕生日

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1-12 「ああ、もういいよいいよ、俺のことは俺が解決するしかねーからさ。時間ねーだろ、さっさと行くぜ」 「行く?」 「なにすっとぼけてやがる。施設に行くんだろがよ」 「えっ…、ご一緒してくださるの?」  ちらりとレイリューンを見た。 「側近を連れ出したら兄上が怪しむだろ。俺は帰ったことになるだけだから構わねえよ」 「うん。…ごめんね、フェンさま」 「いいって、俺にまで相談してくれてありがとな。やっぱほったらかされるのが一番ヤだし、北にいるとどうしても見えねーことってあるからさ」 「うん、わかった。じゃ、次に何かするときもご相談させてね」 「おお。いつでも来い」  義姉上、とこっそりつぶやいた。
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