魔族の誕生日

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1-1 「レイン」  一日の業務を終え、執務室にいるアルスへその報告をすませ、下がろうとした背中へ、それを引き止める声がした。 「はい」 「付き合え」  簡素に言われ、酒瓶を示された。 「私でいいんですか」 「他に誰がいるんだ」  もちろん断る理由はない。  レイリューンはうつむき加減に笑い、戸棚のグラスに手をのばした。  そして、
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