魔族の誕生日

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1-4 「今日がフェシルミアさまのお誕生日なので」 「え! そんなの初めて聞いたわよ。どうして一族の人たち教えてくれなかったのかしら。何かお祝いしてあげなきゃ」  無意識に声が大きくなってしまったらしく、ううー、とまたレイリューンが顔をしかめた。  ごめんね、とちいさく謝る。 「いえ、一族の誕生日は産んでくれた両親に感謝する日なんです。フェシルミアさまはもうご両親がおられないので、みな、それを思い出させないために、あえて普段通りにしてるんですが、やはりご本人はそうはいかず、毎年その前後は眠れないようで、私がつきあわされる羽目になるんです」 「じゃ、フェンさまも?」  でーきた、と言って、セリューナが髪から手をはなす。  これでほぼ、いつもと同じ彼になった。
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