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1-5
レイリューンはすこし笑って自分の髪に触れ、ありがとう、と言う。
「もちろんお誕生日は違いますが、彼はご両親の記憶が全くないそうですので、かえってそのほうが悩まれなくていいかもしれません」
セリューナは満足そうにそのできばえを眺めている。
「そっか。わたし、アルスさまに何かできることないかなあ」
「長の休息ですか」
「うーん、そういうんじゃなくて、何か、心があったかくなるようなこと」
「じゃあ、天の流儀で祝ってあげてください」
「それもいいけど、あまり派手にお祝いしたら、おひとりになった時、寂しいかなあって」
「おひとりになられた時、じんわりあたたかい、そういうものですか」
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