魔族の誕生日

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1-8 「えっと、そういうんじゃなくて、親子のあたたかみみたいのをね」 「あんたの親に代役してもらったら?」 「うーん。でも、他人は他人だから」 「じゃ、あんたがくそ甘やかしてやりゃーいいじゃん」  甘やかす、とつぶやき、セリューナはそんなアルスの姿を思い浮かべようとしたが、どう頑張ってもそういう彼は想像がつかない。 「どうやって?」 「だよなー、あのひと、ぜってーそういうことしねーから」  うわはは、あーりえねーえ、とひとり何かを想像して笑っている。  その頭の中をのぞかせてほしい、と切実に思った。
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