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そんな子を、母もまたじっと見つめていた。
子供が立ち上がる時ほど素晴らしい瞬間はない、と彼女は思っている。
「まだ生まれてほんの少ししかたっていないのに、全身の力をかきあつめて必死に立ち上がろうとするなんて、子供ってすごいのね。」
と、思いながら、彼女は我が子を優しく見守っていた。
そして、ふいに思ったのだった。
普通、アイベックスのしっぽは体と同じ茶色っぽい色をしている。
でも、この子のしっぽは真っ白だ。
まるでタンポポのわた毛のようだな、なんて思っているうちに、彼女の頭の中に一つの言葉がうかんだ。
ケセランパセラン。
という言葉が
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