2、ケセランパセラン

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特に意味はない。 ただ、子供のしっぽを見ていて、何となくそんな言葉がうかんできたのだ。 「そうだ、この子の名前はケセランパセランにしよう。 まあ、意味はないけれどきっといい名前だわ。」 かくしてケセランパセランという名前になった子山羊は、なんだかお腹のあたりが変なのに気がついた。 それは今まで感じたことのないお腹の中が空っぽの感じ。 これが空腹だと、彼は知るのだった。 するとそれに気がついた母親が近寄ってきた。 そして、我が子に優しい眼差しをなげかけると、彼を優しく鼻でおして、自分のお腹の下へ導いてくれたのだった。 その後のことは、やっぱり彼の本能が知っていた。 彼は母の温かな乳をごくんごくんと元気よく飲んだ。 そんな息子を見て、母は思った。 「どんなことがあっても、この子を守っていこう。」と。
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