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アイベックスの好物は木の葉や枝、そして地面にはえる草だ。
冬の間、彼らは雪をかきわけてその下にある枯れてしおれたかたい草をかみしめてなんとかうえをしのいできた。
しかし、今はちがう。
今は目の前に緑が広がっている。
彼らは思うぞんぶん新鮮な草をはめるのだ。
一頭の雌のアイベックスがせっせと草をはんでいる。
やわらかな青草を一心不乱にはみつづけているのは、自らのお腹にはもう一つの命があるのだ。
これから始まるのは、その命の物語である。
少々長くなるかもしれないが、最後までつきあい願いたい。
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