2、ケセランパセラン

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生まれた瞬間、彼は驚いた。 暗くてせまいところから、突然明るい場所へやって来てしまったのだから当然である。 彼は目をぱちくりさせた。 「一体ここはどこだろう。どうしてこんなに目がちかちかするのかな。 あれ、この人は誰かな。 何だかこっちを見ているようだけれど。」 彼はそう思ったけれど、彼の本能は感じていた。 この人が、彼の生涯でかけがえのない人であるということを。 彼は思わずその体に身を寄せた。
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