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大好きだった。 彼女といるだけで幸せだった。 本気で愛していた。 しかし―― どんなことにも終わりは必ずやってくる。 遅いか、早いか。ただそれだけのこと。  高校を卒業し、しばらくすると、私と彼女の関係は終わりを告げた。  別れの言葉はなかった。自然消滅のような形だった気がする。  気がすると言うのは、辛いこと、悲しいこと、嫌なことなどの記憶がすぐに薄くなるからだ。 昔からそうだった。  そして、彼女との別れの記憶は曖昧で、七年経った今ではほとんど思い出せなくなっていた。  逆に楽しかったことは鮮明に、時間が経てば経つほど鮮やかな情景と共にはっきりと思い出すことが出来た。
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