独り

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二十二歳。 独り暮らし。 彼女なし。 はじまりはまず自己紹介から、という鉄則に乗っ取って軽く自分について語ってみようと思った俺だったが、 それ以外に特に紹介出来るような特徴もない。 顔は整っているわけではないが、醜いわけでもない。 身長も体重もほぼ平均、と行ったところだ。 独り暮らしもすっかりいたについた俺は ならではの哀愁を背中に漂わせはじめながら、いつも通り近くのスーパーで本日の夕飯の買い出しに行っていた。 一人鍋の材料を買い終え、 たまには違う道をと思いつき、 気まぐれに昔よく遊んでいた 公園によった。 俺は今までかなり平凡な人生を 送ってきただけあって 特に公園にたいして 特別な思い出もなかったが その価値観はその日、 その出会いによって 大きく変わることとなった。
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