独り

4/8
前へ
/10ページ
次へ
俺は少しずつ芋虫に近付いた。 顔が見える距離まできた。 「……え?」 人間だった。 しかも女だ。 寝袋に入って豪快にいびきをかいている。 (というかこいつ… 見たことあるじゃないか! 昔近所に住んでたお姉さんだ! でもなんでこんなとこに!?) 「っおい!なんでこんなとこで寝てだよ!?」 「……んぅ……」 (てかこいつの顔赤いな。) もしやと思い芋虫のおでこに手を当ててみた。 「っうわ、これかなり熱あるんじゃないか…?」 (このままほっといたら人間としてどうかと疑われる。だけど看病なんかしたことねえし、女なんてどうすれば……。) 「…………ッヘクショイ!!!」 「………(可愛くねえ)。」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加