一章 虫の知らせ

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  『仕事』というワードが出た瞬間、ロゼの表情があからさまに渋った。 「仕事ねえ。あーやだやだ。昨日も仕事今日も仕事。明日も明後日も魂狩って、ロゼさん嫌にちゃうよ」 まあ、仕事の内容が内容だからなあと軋魅は思った。 肉体はもちろん、精神面でもこの仕事はかなりキツイものがある。 それまで生きていた者の魂を狩り取る。 下手をすれば自らの命も落とし兼ねないという状況。 きっと並大抵の精神じゃ耐えられないだろう。 ロゼもきっと精神的に参って―― 「疲れるから」 「え、そっち!?」 予想の遥か斜め上を行く回答だった。 いや確かに疲れますけれども、それだけ?
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