一章 虫の知らせ

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  ふと時計を見てみると、集合時間が迫っている事に気づいた。 そんなに時間は経っていないと思っていたが、結構 話し込んでいたみたいだった。 「ごめんなさい、そろそろ任務の時間なので……その、助言、ありがとうございました」 「別にー。お礼を言われる様な事はしてないよ。ロゼさんはロゼさんの思った事を、君に言っただけだし」 じゃ仕事頑張りなよ。 そうとだけ言ってロゼは軋魅に背を向け、彼の本来の武器であるスケートボードに足を乗せた。 これから仕事だろうか。 「ロゼさんも任務……ですか?」 うんにゃ、と首を横に振り、こちら側に少しだけ振り向きながら、 「お散歩」 と、ウィンクしながら言った。 次の瞬間には、某有名頭脳は大人な名探偵少年よろしく、ジェットエンジンでも付いていているんじゃないかと疑う位の速度のスケートボードに乗って、目の前の窓ガラスを突き破り、お散歩に出かけて行った。
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