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無意識に出てしまった弱気な発言を、いつの間にか後ろに立っていたロゼが返した。
死神組織派遣会社には、大きく分けて二つの課が存在する。
一つは前線で魂や悪霊を狩る狩猟課。軋魅もこの狩猟課に属している。
もう一つは回収課。こちらは魂の回収を主な任務とし、現地での情報収集なども行う。
ロゼは軋魅とは別の課にあたる回収課に所属している。
元々は犬だとか狼だとかいう噂が流れているらしい。
実力はあるのだが、かなり自由奔放な性格で手を焼いているという。
「何が嫌になったの?仕事?」
「あ、いえ……その、ちょっと怖い夢を見て」
夢の内容も伝えるべきか迷ったけど、あまり心配もかけたくなかったから詳しい事は言わなかった。
「ふうん。ロゼさんそーゆーの気にしないからなー。怖い夢見ても忘れちゃうし」
「そうですか」
私もロゼさんの様に気にしない様に出来れば、どれだけ楽になれるだろう。
俯きながら軋魅はそう考えて、しかし首を振る。
結局それは、楽な方に逃げているだけだから。
一時的なもの、何も変わらない。
「また暗い顔してる」
少しムッとした顔をしてロゼは言った。
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